Preparation (良い補綴物が入るための準備) 2
2013年9月10日
“歯の削除量は適切なのか”
歯にクラウンを被せるためにはクラウンの厚みの量だけ歯を削らなければなりません。
クラウンが薄いと使っているうちに穴が開いてしまいますし、機能的な咬合面の形態を作ることができません。また、厚いと頑丈にはなりますが、歯を多く削るため歯のダメージが大きくなり歯髄に悪影響を及ぼしてしまいます。
下の図をご覧下さい。
Contemporary Fixed Prosthodonticsより抜粋
これは、金属でクラウンを製作する場合の歯の削除量を表していますが、咬合面では1〜1.5mm削る必要があるとされています。削りすぎないようにするにはどのようにしたらよいのでしょうか?
臨床では使用するダイヤモンドバーの太さを目安にします。
削りたい量とほぼ同じ太さのバーを使用します。
臨床例をご覧ください。
形成前
まず、削りたい量と同じ太さのバーを用いて数カ所、バーの太さ分の溝を形成します。
この溝が削る量を示しています。
溝をつないで平らな面にします。
歯にダメージを与えたくないとの思いから削る量が少なくなってしまいがちです。
そのため、形成量が適切に行われたか直径1,5mmのボール(クリアランスボール)を使ってチェックをし、削りたりない部分だけ慎重に削ります。
クリアランスボール
過不足なく適切な削除量となっています。
最初は高速回転のエアータービンを使いますが、修正には低回転のモーターを使って行います。
チェック・修正を繰り返し削除量を最小限にするのと同時に、歯へのダメージもおさえます。
形成後はレジンで仮歯を作りますが、出来上がった仮歯の厚みを測り形成量が適切に出来ているか再度チェックします。
削ってしまうと歯質は元に戻りません。時間はかかりますが大切な歯質を守るため、慎重に削らなければなりません。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院