意図的抜歯 (1)
2013年4月16日
歯内療法でいう意図的抜歯とは異なり、抜歯した後に、歯を同じ場所の任意の高さに戻すことを行い、歯として機能するようにしました。
初診時の状態です。
左下第2大臼歯の歯冠部は崩壊し、プラークも付着していて、むし歯が深いように見え、歯のまわりの歯肉も腫脹して歯に覆いかぶさっているような状態です。
レントゲン写真では、むし歯がかなり深く歯槽骨付近まで達していて、根尖病巣も見られます。
左下第2大臼歯の治療法は抜歯が適応と考えられますので、抜歯を行い、その後、欠損部は部分義歯かインプラントとなることをご本人にご説明いたしましたが、歯の保存を強く希望されましたので保存を検討しました。
むし歯がかなり進行していて、むし歯の部分を取り除くと保存できないように見受けられますが、レントゲン写真ではむし歯の深さが歯槽骨付近までで、歯根は保存可能ではないのではないかと思われます。そのため、歯の挺出ができれば歯として機能させられるのではないかと判断しました。
治療法として矯正で歯を引っ張り出すことも考えられますが、固定源が得られにくいために矯正はあきらめ、むし歯を取り除いた後、一度、抜歯して歯槽骨から3mmほど歯が出るように戻し、一時的に歯の固定をおこない、その後、根管治療を行うことにしました。
経過が良ければ4歯のブリッジとなる予定です。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院