歯牙移植
2013年4月12日
1995年10月に右下第2大臼歯が腫脹したため治療することになりましたが、歯根破折が疑われましたのでレントゲン写真を撮影したところ歯根が破折していることが確認できました。
治療法は抜歯が適応ですがオプションの治療として歯牙接着法や歯牙移植が考えられます。幸い奥に親知らずがあり、歯の大きさが適当である事などから、その親知らずを利用して歯牙移植を行うことにしました。ただ、親知らずの根尖が曲がっているので抜歯に際しては根尖を折らないよう慎重に行わなければなりませんでした。
また、歯内療法時にも根尖への配慮が必要になります。
第2大臼歯を抜歯後、親知らずを抜歯し移植。脱臼しないように固定を行い、後日、歯内療法を行いました。移植歯は前の歯とつなげることをしないで単独で補綴処置をしました。
治療終了時のレントゲン写真です。
歯根周囲に透過象はなく、良い状態だと思われます。
定期的に健診に来ていただいていますが、移植した歯に問題が生じることはなく、食事に際しても何ら違和感を感じた事はないとのことです。
術後16年8か月のレントゲン写真です。
歯根周囲に透過象は見られず良い状態です。
第2大臼歯がなくなるとその場所の補綴処置は義歯かインプラントを用いる事となりますが、条件の良い親知らずなどがあればそれを有効に使用し自分の歯で治療することができるかもしれません。
インプラントをする前に少し考えてもいいかもしれませんね。