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調整の少ないクラウンを目指して (その2)

トリミング
症例作業模型の歯列を模型台から外し、ダイヤモンドディスクで正中部に頬側から切り込みを入れて、左右に分割します。これは、支台歯の分割をしやすくするためと、作業中に左側歯列を外すことで製作するクラウンの舌側咬頭(下顎では中心窩)を直視するためです。支台歯部は最初に咬合面から薄いディスクで切り込みを入れます。その後、大きいディスクを使い、頬、舌側から切り込みを入れて分割します。

症例模型の分割に使用するダイヤモンドディスクです。石膏分割ノコは現在使用していません。
左は支台歯切り込みに使う薄いディスク
右は側面からの切り込み用の大きいディスク(ホリコ社)

症例石膏模型トリミング用のポイント、器具です。
左からクロスタイプのカーバイトバー
ポーセレン研磨用ホイール(荒目、黄色)
研磨ホイール(細目、白)
エナメルバー699L(エメスコ社)
デザインナイフ

症例石膏模型は、カーバイトバーで荒削りをし、シリコンホイールで仕上げをします。大臼歯の根の分岐部のトリミングは、エナメルバーやデザインナイフを使用します。削除した部分は補強の目的で瞬間接着剤(ラボシアノン)を塗布します。マージンラインは三菱ユニの6Hを使います。

症例エポキシ模型トリミング用ポイント
ヒートレスホイール(ブッシュ)
ダイヤモンドバー102ファイン又はレギュラー

症例エポキシやウレタン系の模型材は、ヒートレスホイールが適しています。マージン部の仕上げにはダイヤモンドバーのファインかレギュラーの切れの悪くなった物をエアータービンに付けて使用します。
歯軸に対して15~30°のアンダーカットを付けておくことで、スキャンしたときにマージンが分かりやすくなりますし、ワックスアップの仕上げでは、過不足のないシャープなマージンが効率よく得られるからです。

症例トリミングは20~30倍のズームタイプのマイクロスコープをのぞきながら行います。当社においては、入社10年以上の技工士でないとトリミングはさせないことにしています。してもらった場合は必ずベテランがチェックをして必要であれば手直しをします。これは、適合の良いクラウンを製作するためには最も重要な作業であると考えているためです。

咬合器マウント
症例咬合器に模型をマウントするときは、写真のようなジグを使用します。上顎模型を基準の位置に置くだけで誰でも標準的なマウントができます。ディナーマークPの場合は開発者の波多野先生の考えを基準にして、盛り上げた石膏の上にアルミ板を載せた手作りのマウント台で、もう36年も使い続けています。フェイスボートランスファーしない場合はすべてこの方法です。

症例バイト(このケースはレジンバイト)に合わせて下顎を固定し、石膏でマウントします。石膏硬化後、インサイザルピンはテーブルに接触しています。
(マウンティングストーン ウイップミックス社)

症例バーティカルを合わせるために、歯列模型を外して、5にバイトを咬ませます。

症例咬合器上の補綴部位が口腔内と同じ高さになるようにするために、その高さでインサイザルピンがテーブルに着くまで下げて固定します。

症例歯列模型を戻すとピンが少し浮き上がります。これは歯列模型にゆがみがあるためです。

症例このケースでは、咬合紙で当たりを調べると、歯列の前歯部(青色の部分)が強く当っています。削除調整をしていくと左側臼歯部も咬むようになりました。(赤の部分)
咬合紙は、ハネルの両面幅広タイプで、青、緑、赤の順で使用します。

症例対合歯の下顎6のワックスアップは、上顎のブリッジを製作するための基準にするものです。この写真は完成後のものですが、作業工程の咬合調整ごとに青、緑、最終確認が赤で行われていることが分かります。(対合歯は後で使用するかもしれないので、基本的には削除しません)

症例上顎作業模型の歯列を咬合調整して、ピンがテーブルに当るようになり、補綴部位の高さが口腔内と咬合器上で同じになりました。

症例別のケースですが、左側臼歯部と前歯部が大幅に削除調整されています。3の近心、4の近心、6の近遠心が強く着色していますので、しっかり咬合していることが分かります。上顎か下顎か分かりませんが、模型のゆがみ相当ある事が分かります。
4はエポキシ、5はインプラントアナログとガム模型、67はダウエルピン付きの石膏歯列(コンタクトポイントの調整を片側ずつ行うため)にしたケースです。

症例近心の隙間が少ないために、メタルコンタクトにしたコバルトクロム合金を使用したメタルボンドのケースですが、口腔内での調整なしでセットされました。

症例今回紹介した方法で製作されたポーセレン築盛タイプのジルコニアクラウンのセット後4日目の口腔内写真です。4の近心辺縁隆線のみ、ほんの少し咬合調整されました。

症例5の近心は縁上マージンでしたが違和感なく装着されました。



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